コードノート

コードノートはwebを中心にテクノロジー・クリエイティブを伝えるWebメディアです。コードリンク代表、片岡亮が執筆しています。

占星術の話とか、これからの天王星・牡牛座時代(2018~2025年)の話とか。

f:id:moba13:20140309162928j:plain
ここ数年、IT業界の人間のくせに西洋占星術というものをかじってまして、最近この界隈では天王星牡牛座の時代に切り替わったぞーなんて話題で持ちきりでした。普通の人からすれば「???」ってかんじですね。

すごいざっくりいうと、占星術的に見ると「流行・革新・テクノロジー」といった社会の変革が起きる分野が切り替わったぞ、という話です。これからの時代の変化のターニングポイントが、占いなんてもので知れるかはさておき、仮にわかるのではあれば楽しそうな話ですね。

今回はその話を軸にしながら、僕がなぜ占星術というオカルティックなものに触れているのかという話をしていければと思います。

ーーー✂ーーー

占いってどうなのよって話

まず前提として、占いというのが「当たるのか当たらないのか」「信じるべきか信じないべきか」と聞かれると、そりゃ信じないでしょとごく普通に答えるのが僕のスタンスです。未来ってそういうものではありません。

とはいえ、占い=オカルトでありこんなもの一切信じるべきではない!というほどの否定をしているわけではありません。宿命論的な未来予知としてのは占いは不要ですが、今もなお人に役立つ智恵です。

言わばおばあちゃんの知恵袋みたいなものだと思っています。2代3代前どころか、数千年単位前のご先祖様の智恵なので、おばあちゃんどころじゃないですけどね。

西洋占星術の起源は、紀元前2千年紀のバビロニア時代から始まり、その後約2000年前の古代ギリシャの世界観や哲学を、体系付けたものがベースとされます。その後も時代の中で浮き沈みを繰り返し、中世の頃も印刷革命の力を借り、盛り上がりを見せたりしながら今に至ります。

言うならば、錬金術と似た立場のものであり、当時の最先端技術であり、現在の擬似科学です。地動説どころか天動説なんて概念すら無かった時代からのものです。

なので、それで未来予知などが出来るとはもちろん思っていませんが、同時に「中国4000年の歴史」的なロマンであったり、世の流れ・リズムを読むために古代の知識人達が作り上げた体系として見ると面白いなぁと思うのです。

それこそあのニュートンも、一時熱心に占星術であったり錬金術を深く研究していたと言います。もちろんニュートンが研究してたんだから信じるべき!なんて事は言いませんし、彼の研究した天文学によって占星術は科学の立場から離れていったわけです。

ニュートンは非科学的な時代を科学的な時代にスイッチさせた大きな人物でありながら、一方で彼はそれを古代の知識の再発見に過ぎないと語るのは、非常に面白く感じるポイントです。

現代の占星術

そんな中、現代の占星術というと、20世紀ごろのスピリチュアルブームを元に再度盛り上がったものであり、そんな古き硬派なものではありません。

女性誌でよく目にする通り、占い=自己診断・恋愛診断みたいなところもあり、もう少し広く言うなら「癒し」というのが現代の占星術の大きな役割なのかと思います。セラピー・心理学といった学問と組み合わせて語る方も多いですしね。

人の性格というのは大きく分けると12通りあって、それぞれ励まし方・勇気づけ方が違う、さらにそれは時代背景に応じて変化する、と言われればまぁそんなもんだろうな、と納得するところです。

最近話題の「しいたけ占い」もそんな側面が強いと思っています。良いですよね、しいたけさん。

voguegirl.jp

占いが未来予知ツールでなくなった現代において、癒しというのは一つの使い道として良いのではないでしょうか。占星術は世の中全体の流れを読むと同時に、個人の流れも読むものでもあり、時代の中で全体と個人のどちらを読むことに比重を傾けるのか、というのはただの選択に過ぎません。

でも僕はそんな個人への癒しとしての占星術よりも、円環する星の流れを組み合わせて、時代の流れ・パターンを読む先人の知恵としての占星術を好いています。昔のように、戦争や航海の機を読むことにまで使うのかというとまた別ですけどね。

ただ今でも経営者や政治家が占い師のお世話になることがあるというのは、そんな過去の叡智の力を借りる願掛けなのかもしれません。

非科学的な思考の必要性

また、占いが好きでない方の意見としてよくあるのが「どうとでも捉えられる言い方をしていてズルい。ハッキリ言って欲しい。」みたいなことです。

実際たしかにそんな面はあります。詩的というか哲学ぶったな言い回しで煙に巻かれるように感じる人も多いのかもしれません。

ただ先に書いたとおり、占星術は当たる当たらないや宿命論的な未来予知をするものだとは僕は思っておらず、逆にどうとでも捉えられる内容であった方が良いのかな、と思っています。

世の中意外と、どうとでも捉えられる物事って少ないです。「正解か不正解か」「正しいか正しくないか」「勝ちか負けか」「善か悪か」「0か1か」といった事の方が世の中には多くあります。

そんな「0 or 1」の思考を僕は「科学的な思考」と勝手に呼んでいるのですが、その恩恵で発展してきたのが現代であり、その頭打ちにあるのもまた現代だと思っています。

例えば、新しいアイデアを出すというのは、既存のフレームでは不正解だったことの中に正解を見い出すという事です。それは0であり1でもあることを考える必要があります。

またいわゆる炎上というのも、0か1をだけを判断基準にする人が増えたからこその現象だと思います。不倫を善か悪かどちらか選べと言われたら、悪と答えるしかないわけで。

というわけで今の世になんとなくある閉塞感から抜けるには、「0 or 1」の科学的思考だけでなく、「0 and 1」の非科学的な思考もある程度必要だと思うのです。

それは必ずしも占星術である必要はなく、例えばアート・芸術といった分野に触れるというのも近しいことなのかもしれません。アートに対して、「どうとでも捉えられる絵を描くのはズルい。何を主張したいのはハッキリして欲しい。」とは言いませんよね。笑

アートであれ、占星術であれ、そんなハッキリとしない抽象度の高い物事に触れるというのは意外と重要なことです。

 

めちゃ長い前置きここまで。笑

ーーー✂ーーー

天王星が象徴する、社会の改革

長々書いていますが、結局指針を考えるのは自分自身であって、占星術はそれを考えるきっかけであれば良いんじゃない?と雑なまとめをしたところで、本題に入っていければと思います。

改めて最初の話に戻ると、天王星は占星術の中では「改革・変化・テクノロジー」な物事を司る惑星とされています。

そんな天王星の公転周期は84年なので、各12星座を約7年置きに移動していくことになります。

f:id:moba13:20180531185332g:plain

12星座はそれぞれテーマをもっており、天王星が滞在する間、世の中でその星座が持つテーマの改革が起きてくる、というわけです。

12星座それぞれの持つテーマというのは、一つの連なるストーリーになっています。人はまず働く・働いたらお金が入る・お金が入ったら教育にお金を使う、みたいな流れです。

なので星を見たら未来が予想できるぜ!というよりは、風が吹いたら桶屋が儲かる、といった話を様々な分野に適応して話せるよう、シンボリックに表現しているのが占星術だと認識してもらえれば差し支えないかと思います。

で、その天王星は2011~2018年までは牡羊座に滞在し、2018~2025年までは牡牛座に滞在します。ではそれでの星座はどのような社会的テーマを持っているのでしょうか。順を追って話していきます。先にまとめて目次をどうぞ。

◆天王星・牡羊座時代(2011~2018年)

  • 集団から個人へ
  • リスタート
  • 働き方

◆天王星・牡牛座時代(2018~2025年)

  • 自分らしさを深める
  • お金 / 富
  • 身体 / 五感
  • 物質 / マテリアル
  • 芸術 / 美意識

天王星・牡羊座時代の振り返り(2011~2018年)

f:id:moba13:20180530003917j:plain

牡羊座は12星座の1つ目の星座です。なので、新たにスタートする・チャレンジする、というのが基本的なテーマです。別の言い方をすれば、世の中の改革は2011年で一度一周を終えたとも言えます。

過去84年の中で、我々が作ってきたものを改めて見つめなおして、不要なものは捨てて新たにリビルドしていく時代が2011年から始まっていた、ということです。

占星術の話抜きにしても、古い社会構造の限界を各所で自然と感じていたのではないでしょうか。2011年まではそれを仕方ないとごまかしていたけれど、そうも言ってられなくなってきて、とりあえず手をつけられる場所から作り直し始めたのがこの7年間だったのです。

ではその要素を3つ分けて、細々説明していきます。

集団から個人へ

12星座をおおざっぱな分類する方法というのはいくつかあるのですが、その一つに個人と集団という2分割があります。12星座前半の牡羊座から乙女座までが個人、後半の天秤座から魚座までが社会を象徴するということです。

その括りでいうと、この社会はここ40年ほど個人でなく社会をどう進化させていくかを考えていた、という話です。どう組織を作るか、仕組化するかという部分に変容を持たしていたのですが、それはもうひと段落。

社会を重視する中で、保留していた「個人」の変革にまた手をつけ始めた時代だったのです。

実際、個人が活躍する時代だとか、フリーランスだとか、そんな話がよく出ていました。ここで始まった話はまた40年ほど続き、その中で磨いた個人というのもまた集団化していく話をまた40年後に始めるのです。

リスタート

最初に似たような話を書きましたが、やはりリスタートというのが牡羊座の時代において大きなテーマです。それは個人としてなにかをやり直すというよりは、社会全体がリスタートをするという意味合いです。

日本という国もリスタートしつつ(良いスタートダッシュが切れたのかはわからないけれど)、テクノロジーの分野でもAIという研究テーマが改めて見直され進化を始めています。

ムーアの法則というCPUの進化の法則も陰りを見せ、ジョブズも2011年に死去し、これまでの技術の延長では行き詰まりが感じられていたけれど、牡羊座の時代が終わる2018年にはまだまだテクノロジーはやることがあるな、という時代の雰囲気に不思議となりましたね。

AI技術だロケット技術だというのは、急に目新しく出てきたわけではなく、研究が止まっていたものが再始動したように感じます。まさにリスタート。

働き方

牡羊座のエネルギッシュさ、勝負に勝ちたいという熱血さからは「働き方」という言葉も連想されます。

働き方革命というワードを繰り返し見ましたが、これもまた天王星・牡羊座時代らしい出来事であったように思います。電通など大手代理店はまさにエネルギッシュに勝負に勝つことを是としてきましたが、果たしてそれで良いのか、を見つめ直す時期でした。

天王星・牡羊座の時代が終わったのならもう働き方革命は終わったの?なんて思うかもしれないですが、そうでなくこの7年間で働き方について考えるべきテーマが出そろった、という感覚です。

たしかにいわゆるブラック企業的な労働環境が正しいとは言えません。しかしもし仮に、能動的に時間をいとわず、情熱を持って打ち込めるモノゴトがあるならばそれは素晴らしいことです。

公務員に憧れる・定時で帰れる仕事がしたい、みたいな風潮が強かった昨今ですが、働き方というワードを通じて、もし自分が情熱をぶつけられるものがあるとしたら?という問いもその裏にあったのではないでしょうか。

ーーー✂ーーー

天王星・牡牛座時代を考える(2018~2025年)

f:id:moba13:20180530003938j:plain

こんな2011~2018年を経て、そのテーマを引き継ぐように表れてくるのが天王星・牡牛座の時代です。これまでが「攻め・男性性」とするとこれから7年間は「受け・女性性」と言うことができます。過去7年間やってきたことを深く受け入れる、深める、といった期間です。

また、2018~2025年というスパンの中には、東京オリンピックとそれ以後というわかりやすいイベントがあります。そんなイベントの中で、自然と自分個人の価値を深めていくような時期となることでしょう。

自分らしさを深める

天王星・牡羊座の時代で「集団から個人へ 」という話をしましたが、これからはそれを実際に地に足つけて成り立たせていくような時期です。

これからの時代はフリーランスのように働く人が増えるはずだ!なんてニュースを目にすることも多いですが、それをただの理想や短期的な形態でなく、長く続く仕組みにしていく必要がある、そのためにはどうすれば良いのか?を考える必要があります。

よく起業して10年残る会社は3%しかいない、なんて言いますが、集団から個人になった結果それでうまくいく個人が3%だけ、ではヤバイです。笑

勢いで「これからは会社に縛られず個人で働く時代だ!」と一歩踏み出すことも大事ですが、それ以上に大切なのは実際に機能させることです。

そのためにまず必要なのが、自分らしさを深めること、自分の強みを生かすことになってきます。過去7年間見つめてきた自分の価値を見て、生かすべきこと伸ばすべきことを深めていくことが重要です。

また、社会という観点では、それだけでは足りません。正直なところ、個人が努力するだけは個人の時代という大きな仕組みが回るとは言えません。社会的にそれが成り立つシステムが構築される必要があります。

すでにそのためのシステムがチラホラと目に付き始めていきますが、それが形を成していくのが、これから7年間ということでしょう。

お金 / 富

日本の割と重大なテーマとしてあるのが、オリンピック後の日本経済です。今はオリンピック特需で一時的な盛り上がりを見せている分野がありますが、それもこの7年の内に終わります。

そして、少子高齢化が経済に与える影響も、実際に形を成してくる気配がじわじわとやってきています。

最近のバズワードで言えば、「若者のお金離れ」「シェアリングエコノミー」なんてものもあります。

若者を考察するための”視点”|ハヤカワ五味|note より

 

f:id:moba13:20180527205854p:plain

“シェアリングエコノミー”とは? 基本ビジネスモデルとサービス内容 より

しかし、お金がないから皆でものをシェアしよう!ということだけで良いのかというと、これらのワードはこれからのお金を考える上で重要な要素の一つではあるだろうけれど、これだけじゃないなと感じられます。

仮想通貨なりシェアリングエコノミーなり、お金や価値といった概念を根本的に変革していく基盤がこれから出来ていくことでしょう。 

身体 / 五感の拡張

「個人」を考えると出てくるのが、我々が持つこの「身体」です。個人を考える時代というのは、同時に身体・五感を考えて改革する時代ということでもあります。

身体を改革するってなに?SFみたいに身体をロボットにするの?となるかもしれませんが、そこまでは言いません。笑

僕らはこの身だけで生きているつもりでいますが、実はすでに身体を改革・拡張させた世界で生きています。その中でも大きい発明は「メガネやコンタクトレンズ」です。

多くの人が当たり前に使っているアイテムですが、この社会はもうメガネで視覚を拡張することを前提として作られています。

僕らは勉強するにしても、駅のホームで次の電車の時間を知るにしても、YouTubeで暇つぶしをするにしても、目が悪ければそれを享受することができません。

これからの時代発明されるものというのは、このメガネやコンタクトレンズと同様、社会の前提として組み込まれるアイテムとなるかもしれない、ということです。

もしもVRの世界が当たり前になれば、出勤・オフィスなんて概念も無くなるのかもしれせん。もしも機械で身体能力をサポートすることが当たり前になれば、介護も今ほど負担が大きいものでは無くなるのかもしれません。もしも自動翻訳が当たり前になれば、世界中の人と簡単にコミュニケーションが取れようになるのかもしれません。

物質 / マテリアル

物体や形在るものというのも、また牡牛座的なテーマです。物体に関してテクノロジーで革新が起きるというと、単純に考えれば3Dプリンターなどが想像されます。

しかし、実際はそれよりも大きい解釈の方がしっくりきます。テクノロジーが現実世界を変革していく、というようなイメージです。

ここ最近技術というと、インターネット上のSNSみたいに画面の中にあるもの、みたいな印象が強かったように思います。しかし今はそうでなく、3Dプリンター・IoT・自動運転・ロボット技術のように、画面の外にあるこの現実を変えることの方にも改めて変化が感じられる時流があります。

身体を拡張すると同時に、現実を拡張しているのが今なのではないでしょうか。

芸術 / 美意識

ここまで、お金だ現実だと俗なことを書いてきましたが、牡牛座の支配星である金星は美と芸術のヴィーナスを象徴します。

現実を考えるとは、芸術を考えることでもあるのです。

今の世界の技術というのは、SF小説の世界を現実に再現しようとしたところも多くあります。事実、シリコンバレー的なスタートアップの経営者の話で少年時代SFに傾倒していたというエピソードは山ほど出てきます。

ただ今、SF的な小説や映画を見たときに本当にこの未来で良いのかという未来が描かれていることも多いです。いわゆる「ディストピア」と言われる、現実世界は終わってるけど仮想現実の世界は最高だぜ!みたいな世界感が多いですよね。

映画だと、マトリックスもそうでしたし、最近だとレディープレイヤーワンでも、画面の向こうにしか多くの人の夢が広がっていません。

それはあくまで物語なんだから現実とは関係ない、とは言っても今実際にフェイスブックやインスタの中ではキラキラしているが、現実ではキラキラしていない、という人間も増えてきています。

映画でもなんでも芸術が描く世界に僕らは意外と引っ張られている、のかもしれません。

そしてもし仮にそうだとしたら、もっとこれからの時代の芸術が必要だ、と思うのです。それは新しく作るものかもしれないし、もしかしたら古き良き芸術の中に秘められているものかもしれません。

よくAIが人間を支配するのでは?という問いがあります。しかしこれは問いかけの仕方を間違えていて、AIと人間が共存する社会をデザインするにはどうしたら良いか?をまず考える必要があります。

技術自体に善悪はなく、それをどうデザインするかで未来は訪れるわけであり、その源泉となるのが芸術や美の世界なのです。

 ーーー✂ーーー

f:id:moba13:20180530173934j:plain

以上が、天王星・牡牛座の時代、2018~2025年のことを僕なりにここ数ヶ月解釈していたことをまとめた話となります。

ただ、重要なことは、ここに書いた文章よりも「自分らしさを深める」「お金 / 富」「身体 / 五感」「物質 / マテリアル」「芸術 / 美意識」といったキーワードであり、さらにその元にある「天王星」「牡牛座」というシンボルです。

占星術において「牡牛座はお金を象徴するんだ!」みたいな単純な意味づけをするのは超ダサい行為です。ピカソの絵を見て、「この絵はこんなメッセージを持っているんだ!」と決めつけるような行為だからです。そんなのは人それぞれ違うメッセージを受け取るはずです。

なので「マジでだせー!」と思いながらもこの記事を書いていたわけですが(笑)、単純化して話ながらも、極力その裏にある繋がりみたいなものを意識して書いたつもりでいます。

もしもそれがうっすらとでも感じられたのであれば幸いです。願わくはまた7年後に次の天王星・双子座時代を書きたいものです。長文にお付き合いいただきありがとうございました。