コードノート

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ちょっと早めな2018年振り返り。言語と哲学と占いと。

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ロスタイムがちょっとあるけれど、平成最後な一年でしたね。みなさまどんな一年でしたでしょうか。

僕にとって今年は新しい言語を学ぶ年でした。

それは英語や中国語って意味ではなく、哲学と占いみたいな本をやけに読んでいました。モーニングのコーヒーを飲みながら、ぶ厚い本を読んでいたら、一年が終わったような感覚です。(おかげで生活習慣が整うという副産物が。)

言語は武器

仕事柄、一応プログラミング屋さんでもあるので、「プログラミング言語」がわかりやすく武器だったり商品という感覚は常々感じています。

この界隈では、「一年に一つは新しいプログラミング言語に触れることが良いプログラマーであるために必要なことだ。」と半ば常識のように言われていたりします。

そんなわけで、僕は純粋なプログラマーで無いながらも、古い武器を捨てるとは、すなわち新しい言語を学ぶことだと思っています。

そして言語とは、必ずしも外国語だけでもなく、プログラミング言語だけでもないとも思っています。数学も言語だし、哲学も言語だし、デザインも言語だし、極端に言えば格闘技だって言葉を交えない言語かもしれません。

人は言語によって思考するので、使える言語は増やした方が良いです。

よく理系は理屈っぽいなんてよく言われますが、そうでもなければプログラムなんて理屈っぽい言語は書けないんですよね。

プログラミング言語を学べば、その理屈っぽい体系に思考も自然と引っ張られます。言語を学ぶとは、その言語の思考方法も同時に学ぶのと同様だと思うのです。

一方で、いわゆるビジネス書みたいなものは、新しく使える言語を増やすものでなく、今すでに使える言語の範疇で、知らないことをわかりやすく解釈するという要素が強いです。

仮に「5分でわかるAI」みたい本があるとしましょう。それを読むことで本当に研究者と同じ知識が得られないのは自明のことです。方便として、とりあえずわかったつもりにさせてくれるものでしょう。

それはそれで、概略を把握したり、おおまかな方向性を示してくれるものとして必要ですが、自身の思考体系に影響を与えてくれることはほぼないと言えます。

そんなわけで古い思考のフレームだけに縛られず、新しい思考のフレームを得るためには、ガチめに新しい言語を学ぶって良いよねって話でした。

哲学という言語

プログラムも哲学も、一文字一行に膨大な意味を圧縮するという点では近いのかなぁと思っている節があります。

『ニーチェの「神は死んだ」とか捉え方が人によって全然違うじゃん。場合によっては180°意味が変わってしまうし、方向性が同じでも理解度の深さたぶん大違いでしょ。しかも多神教の人だと、文化的背景で捉え方に影響ありまくるやん。』とか思うわけです。

そんな中、書籍やセミナーみたいな場で、偉い人がさも全部わかってますよ、みたいな顔をして、哲学者の言葉を引用してきて、なんかわからないけど「ほほーなるほど(?)」ってされるのなんだかズルいですよね。

「人生には哲学が必要だ」とか、何か言っているようで何も言っていないのでは?ってなるし。

今から勉強しても、大学で哲学を専攻していたような方には敵うとも思えないですし、せいぜいわからないことがわかった、となる程度なのは目に見えています。

でもせめて、他の人がどれぐらいの深さで「哲学」と言っているのかがわかるようになると良いなぁなんて思いながら、本をぱらぱらと読んでいるしだいです。

世の中、わかっているようでわかっていないことの方が多いですしね。

占いという言語

占いは「多様性」をやけに語る現代にわりとマッチしている気がしています。

【ざっくり占いの世界観】
世の中は、アリストテレスの時代から言われる火地風水の四元素で構築されていて、その均等で世界は成り立つ。ただ均等というのは、数百年単位の長いスパンにおいてのもので、時代の瞬間瞬間では偏りがある。

いまの時代はインターネットに象徴される風的な偏りがあるけれど、だからこそ、その反対にある「感情」という水的な、炎上といった問題が起きる。

そして時代性と同様に、人もそれぞれどれかの元素に偏っていて、それを世代間や性格と呼び、そこから天職や理想の相手みたいなものを逆算しようとする。

誰もが、たった一つの理想像を正解として、全員がそれを目指すべき時代『ではない』ことは、だいたいみんなわかっている。

でも、正解が人それぞれ完全に違うと探すのが大変なので、何パターンかのうちから選べる正解が欲しい。自分にあったファッションを選ぶように。

占いで言えば、その方向はざっくり言えば4つに分かれているし、もう少し厳密にすれば12種類ある。さらに人は、その中でただ一つを選ぶ訳でなく色んな元素がブレンドされて誕生する。

だから仕事ではゴリゴリに攻めるけれど、家庭では物静か、みたいな人もそれは矛盾しているのでなく、ただそんなブレンドされた性質を持っているだけということ。
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といったのが、巷での占いの考え方だと思っているのですが、需要がある世界観だよなぁってかんじです。

目の前の問題解決には向いていないですが、自然と人生の到着点を考える設計になっているのが良いと思っています。結局その後は、目の前の現実がんば!ってなるんですけどね。

ただ現実において、仕事で成功したり、良い結婚相手に恵まれたいなら、占いを見ている前に努力しろよ!というド正論の通りに動けないのが、人間の面白いところです。

ここ最近「行動することが大事!」なんてメッセージの本も増えていますが、行動するための動機付けというか、良い意味での言い訳が欲しいのが人間です。

そこで「誰々さんが行動が大事と言っていたから」というのはきっかけぐらいにはなりますが、長続きする動機にはなりません。

最終的には自身で、時代や自分の最大スペックを見据えて、そこに自分をフィットさせていくような行程が必要です。

天然でそれができる人もいるのですが、できない人にとって占いだとかそれに準じる道具があるのは、割と良いことなのかもしれません。そのためだけの道具ではないにせよ。

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あ、そんなこんなで占いサイト作り中です。

アストロデータベース

中身の作り込みもそうなんですが、エンタメ性が必要なのがネットなので、そこまでまったく手が回っていないですね。

今年話題になったm-garmさんの開発日記が、中身とエンタメ性をどう整えていったかの記事が参考になって良いです。

note.mu

来年には形になると良いなぁと思っていますが、本人はゲームの攻略サイト作ってるぐらいの気分なので、そのように。

それではみなさま良いお年を。