コードノート

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シンボルとは何か。

最近、シンボルとは何か、ということをよく考えています。以前にロゴに関する記事を書きましたが、ロゴというのもシンボルの一つの形でしょう。

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またこの記事とは別に今、占星術に関する記事も書き途中なのですが、占星術の惑星記号もまたシンボルと呼ばれます。

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ある著名な海外の占星術師のお話を聞いていた時、「良い占星術師はチャートを見た時に、シンボルが踊り出すように見える。」みたいなことを言っていました。

シンボルの組み合わせを見た時に、一つ一つの意味合いを左脳的に読み解くことを積み重ねていくと、ある時から全体を見るだけで直感的に理解できる、みたいな話ですね。マンガ家さんが「キャラクターが勝手に動き出して物語ができる」というのと似たようなことかと思います。

シンボルというのは、それだけ一見小さな固まりの中にも、多くの意味合いが込められているものです。 

考えの整頓

考えの整頓

 

言葉、というのもとてもシンボリックなものと感じられます。

ピタゴラスイッチなどの企画・監修で有名な佐藤雅彦さんの書籍の中で、脳科学者の岡野谷一夫さんの著作から「ことば」の定義について以下のように引用していました。

「象徴機能を持った単語をある順序を持った単語をある順序で組み合わせることによって、世の中の森羅万象との対応をつけるシステム、それがことばである。」

非常に、シンボルというものを的確に表現している言葉だなと感じられます。

人間 (岩波文庫)

人間 (岩波文庫)

 

またドイツの哲学者、カッシーラーの「人間 シンボルを操るもの」の中では、人間のことを"シンボルを操る動物"と呼んでいます。

この書籍の中のシンボルの例として、神話・宗教・言語・芸術・歴史・科学を取り上げています。概念が大きくこれらをシンボルである、と捕らえることは日頃あまりありませんが、たしかに一番完成されたシンボルというのはこれらのように感じられます。

そしてシンボルとは、抽象度の高い知と美をもって表すものであると言い、直感と思考の調和したもの、とも表現していました。また、美とは宇宙の富とその深さをを示すもの、といった表現をしていたようにざっくりとですが記憶しています。

急に宇宙などと言い出すとぶっ飛んでいるようにも感じますが、先ほどの岡野谷さんの言葉にあった、森羅万象だとか万物、みたいな表現にすると捕らえやすいかもしれません。人間は知性を持つことで日常を良く生きているわけですが、地球の重力や気圧といった環境がベースにあり、それを知で活用できているからこそ豊かな日常を送れているわけです。

地球という美しい星を活用させてもらうために、知を持ってシンボルを生み出し、操っているのが人間なのだと思います。

また一方で、そのような正しいシンボル的な理想を叶えていないものは、シンボルでなく呪術・迷信であるといった表現も書籍の中にありました。

確かに今の世の中、一見便利なシンボルのようでありながら、実際はただ僕らのことを迷信的に縛っていること事柄も多いように思います。

シンボル的なもの正しくあれそうでなかれ、それだけ力を持ちます。

僕らは自己を主と生きているように感じながらも、実際には多くのシンボルあるいはシンボル的な迷信に囲まれ、そこから学びを得て生活をしています。

だからこそ、改めてシンボルとは何かを理解した上で、正しいシンボルを選択し理解を重ねていくことが生きていく上で重要ではないかと思うしだいです。